

僕は28歳のとき、英会話スクールを立ち上げて起業しました。
そのときの貯金はわずか6万円。
「お金がなくても起業できるのか?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、結論から言うとできます。
鍵は、自分のオタク的な強みを活かすこと。
僕の場合は、留学経験とTOEIC960点という英語のスキルでした。
僕は「間違えても直さない英会話スクール」というコンセプトを打ち出しました。
日本の英語教育は間違いを恐れて話せなくなる人が多い。
でも海外で学んだ僕は「間違えても伝わればOK」という感覚を大事にしていました。
このユニークなコンセプトは学習者に刺さり、他のスクールと差別化することができました。

僕の英会話スクールの固定費は月4万円の家賃だけでした。
広告費はゼロ。
SNSとLINEを徹底的に活用して集客しました。
原価のかからないスキル販売型のビジネスは利益率が高く、ノーリスクで起業するには最適です。
起業当初にやったのは「1,000円渡すからモニターになってください」という方法でした。
普通は無料体験をやりますよね。
でも僕は逆にお金を渡すことで返報性が働き、「知り合いを紹介しよう」と思ってもらえる仕組みをつくったんです。
この仕掛けで数十件のモニターを集め、そこから有料顧客へとつながりました。

当時の問い合わせ方法はフォーム入力が主流でしたが、僕はLINEを導入しました。
体験レッスンの予約から日程調整、雑談を交えた関係づくりまで、すべてLINEで完結。
結果として、無料体験54件のうち50件が入会という驚きの数字を出すことができました。
LINEはメールよりもレスポンスが速く、心理的にも距離が近い。
僕自身、雑談を交えて相手の目標や不安を引き出し、自然に「堤に習いたい」と思ってもらえる関係をつくれました。
この経験が、後にLINE運用支援の事業へシフトするきっかけになったんです。

起業当初は1時間2,000円で英会話を教えていました。
でもスケジュールが埋まって自分の時間がなくなるのを防ぐため、「8割埋まったら値上げする」とルールを決めました。
値上げは怖かったですが、それを正直に伝えることで、理解して続けてくれるお客様も多かったんです。
「無料でやってほしい」「もっと安く」という声もありましたが、それははっきり断るようにしました。
お金を払ってくれる方に最大の価値を届けることが僕の役割だと気づいたからです。
結果として、顧客の質も上がり、信頼関係もより強くなっていきました。

英会話スクールを続けるか、LINE運用支援に注力するか迷いましたが、僕はLINE事業に全力を注ぐことを選びました。
複数の事業を同時に伸ばすのは非効率。
一点集中でリソースを投下することで、短期間で大きな成果を上げられました。
投資では分散が基本ですが、事業では集中が大事だと僕は思っています。
一つの事業に全力を注ぐことで、専門性やブランド力が高まり、圧倒的な成果につながるのです。

僕の経験から学べるポイントを整理すると次の通りです。
・オタク的な強みを事業化する
・固定費を抑え、リスクを最小化する
・モニター戦略で紹介と実績をつくる
・LINEでスムーズな顧客体験を提供する
・スケジュールが埋まったら値上げする
・事業は一極集中で伸ばす
資金がなくても、やり方次第で起業はできます。
僕自身、貯金6万円からスタートして3年半で会社を売却するところまでたどり着きました。
次の記事では、この事業をどう仕組み化して伸ばしたのかをお話しします。